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いろいろ詰め合わせ(短編)

第18章 再会(宮治)


信ちゃんの家の縁側で寛いでいると

「なぁ香澄、治がおにぎり屋さん開くねん」

と言い出す信ちゃん


「え…?…そっか…、」

久しぶりに聞くその名前に動揺していると


「いつか……食べたってな…」


優しく微笑んだ信ちゃんが私を見つめながら言う


「…うん…」


そう頷くと、ポンポンと頭を撫でて、田んぼへ行く準備をする信ちゃん



(治……、夢見つけて叶えたんやなぁ…)



焦りなのか、安堵なのか…よくわからない複雑な感情になりながら帰った



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(治が、ここにいるかもしれない…)


そう思うと、手が震え、ドクン、ドクンと全身が脈を打つ


嬉しいのかトラウマなのか、よくわからない感情があの時と同じように襲ってきた



(…、今は仕事…!!!)


と無理やり切りかえ、振り返ると





「っ!!!!!」





「香澄…」






「…治…」





時が止まったかと思った


なんと声をかけていいのか分からず、俯くと


「…久しぶりやなぁ、、」


あまりにも優しいその声に胸がきゅ、となり、目頭が熱くなる


(あぁ…、まだわたし…)


「…うん、、久しぶり…」


何とか絞り出したそのセリフが聞こえると同時に、俯く私の視界に治の足が映り込む




「っ!!」




フワッと優しい匂いがして、包まれた感覚が何なのかをわかった時には何秒も経っていた




「…っおさむ…?」




「…会いたかった…」




ボソ、と噛み締めるような声に、耐えきれず涙があふれる




「…っ、、そ、んなの…!私も、ずっと…!」




そこまで言ったと同時に、優しく包まれていたのが、ギュと力強く抱きしめられた




「…ほんっまに…会いたかった…!」




涙ぐむその声を聞いて、ほんの少し冷静になった




(…あったかい…、少し背が伸びた…?元気だった?今まで何してた?お店始めたって聞いて、驚いた、おめでとうって言えたらいいなって思ってて…)





今までこらえていた思いが一気に自分の中に流れ込む




声にはならないその想いが伝われ、と思い、そっと治の背中に腕を伸ばした





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