第15章 あと少し(黒尾鉄朗)
香澄side
「へっへへ〜」
「うわ、絶対ズルしただろ」
結局あのあと2件回った後、時間的にお店も空いてなくて近くの私の家へと飲み直しにきた
「こい、!10!!」
なぜか、超絶久しぶりな人生ゲームを楽しんでいる途中
「あ〜〜、、」
「くろお〜、弱すぎない〜??」
ニヤニヤしながら、おもちゃの札束をヒラヒラと黒尾の目の前でさせる
「はぁ〜?ズルしてると後々痛い目みますよ〜?」
「負けないし〜、てか、これ負けたら勝った方の言うこと聞くってのはどう??」
ほぼ勝ちが確定していると思った私は、なにか奢ってもらおう、という考えで提案をする
「お、言いましたよ??黒尾さん、本気出しちゃいますよ〜」
「よーし!やるぞー!」
そう言って、さらに熱い戦いが始まった
・・・
「、、え、、うそ、、うそうそ、、」
「だから言ったでしょ、ずるしたら負けるよって」
ニヤニヤとこちらに札束をヒラヒラさせる黒尾
(う、うざい、、)
「さてさて、どんな願いを聞いてもらおうかな、」
「、、お手柔らかに〜、!!」
お願いポーズをして、楽なものを、と願う私
「1回だけキスさせて」
「は、???」
(なにいって、、)
頭の中で彼の言葉を処理している間に、彼の整った顔がこちらへと近づいてくる
「や、まっ、ん、!?」
小さくチュ、と音を立てて、すぐ離れた彼
「ごちそうさまでした」
ニヤ、とこちらを見て笑って、「トイレ借りるわ」と立った
(い、、いま、、なにが、、)
柔らかな何かが触れた自分の唇を抑えて、なんとか平常心を戻そうとする
そのあと何事もなく寝て、黒尾はあさイチで自分の家へと帰っていった