• テキストサイズ

いろいろ詰め合わせ(短編)

第15章 あと少し(黒尾鉄朗)


香澄side


「あーー、もー、、遠距離やだぁ、、」

「飲み過ぎじゃないですか、菊川さん」


少し呆れた目でこちらを見てくる高校の同級生、黒尾


「うるっさいな、今日は最後まで付き合ってくれるって言ったじゃん」


隣を小さく睨むと


「いやー、だって?

ただでさえ、月に1回会えれば良い方だったのが、前日にドタキャンするとか、もうあり得なくない?

こんなことは言いたくなかったけど、自然消滅フラグでしょーが」


呆れの目が哀れみの目になり、ズバズバと痛いところをつく黒尾




「、、」




何も言えなくなって、結露で汗だくのグラスを両手で握り、少し傾けるとカラン、と氷が崩れ音を立てた



(、わかってるよ、、もうだめなことくらい、、)



「、はぁ、、ごめん、言いすぎた、

本当はちゃんとわかってるんだもんな、菊川」



黒尾はポンポンを頭を撫でると、お店の人にお会計を頼んだ




・・・




会計を済ませ、少し湿度の高い六月の少し冷たいようなぬるい風を感じながらゆっくりと歩く



「さ、次どうするかなー、」


「黒尾、今日どうするの?」


「ん?」


(確か黒尾の家、こっから4.5駅ほど先のところだった気がするけど、、)


「終電、逃しちゃうよ?」


時計をみると、23時をとっくに過ぎていて終電の時間も近いはずだ


「誰だよ、今日は朝までって言ったやつ」


「わ、私だけど、いいよ?

終電では帰んなよ」


あたま一個分ほど高い彼を見上げる


すると少し考えると、


「菊川のおかげで俺も朝まで飲みたい気分なんですけど、付き合いません?」


と、悪く笑って、いまだにキラキラしている飲み屋街の方を指差す



「黒尾、私について来られるかな、??」


黒尾の優しさに感謝しつつ、酒好きなわたしは結局飲みたくなってしまった


「負けねーよ??」


そう言って、次のお店探しへと、歩き出した



/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp