第14章 この愛が歪んだ呪いになる前に(夏油傑)
香澄side
「何度も言わせるな、
傑が集落の人間を皆殺しにし行方をくらませた」
「聞こえてますよ、だから『は?』つったんだ」
(うそだ、、)
「、、傑の実家はすでにもぬけの殻だった、
ただ血痕と残穢から恐らく両親も手にかけている」
「んなわけねぇだろ!!」
「そうだよ、!先生、、!傑が、そんな、、」
動揺が隠せていない私と悟に、夜蛾先生は肩に手を置く
「俺も、、何が何だか分からんのだ」
「「、、っ、、!」」
そのあと、どれくらい二人で立ち尽くしていたのか、そこからどうやって二人で帰る流れになったのか、覚えていない
・・・
「っ、、、」
目が覚めて、隣には悟の背中がある
(ああ、、、夢か、、、)
息がしにくい、泣きながら寝てたのか、鼻が詰まっている
確かあの後、1年後くらいに硝子は傑に遭遇した
それを聞いた悟は、傑を追いかけた
私は、、会えなかった、
でも、悟が私に言った
「傑が、、あいつが、ずっと香澄だけを愛してるって、、そう伝えてくれって」
って
それを聞いて、私はまた涙が止まらなかったんだ
(きっと、、私は何があっても彼のことが好きだ、)
そう思ったと同時に、だから傑は、私と別れるように仕向けたんだと理解した
でも、、こんなことになるなんて、、、
最後まで私は、傑に会うことができなかった
(また、、本当の気持ちを伝えることができなかった、、、)
「好きだよ、、、すぐる、、、なにがあっても、、ずっと」
そう呟いて、私はさみしさを埋めるように悟に寄り添い、もう一度眠りに落ちた