第14章 この愛が歪んだ呪いになる前に(夏油傑)
香澄side
きっかけは確かに、私のごり押しアピールだった
一目ぼれして、入学して3か月ずっと好き好きアピールしてたのに、「ありがとう、でも私と付き合ってもいいことなんかないから」と言って、相手にしてくれなかった
ほかの女の子と付き合ってる話をずっと聞いているのが、しんどくなって、夏に差し掛かったとき「最後だから、、」と気持ちを伝えたら、まさかのオッケー
その日から、私はそれまで以上にずっとベタ惚れなのである
「すっぐる~~!おっはよ~~!」
ドンっ!と今にも壊れそうな古いドアを思い切り開けて、大好きな彼に今日も挨拶をする
「おはよう香澄
今日も元気だね」
ニコニコと私のことを見る彼の表情は、とても穏やかだ
「ふふっ」
(今日もかっこいいっ)
「ちょっとちょっとー、俺たちもいるんですけど~」
傑の隣に座る悟が、席につく私のことを不満そうに見る
「あ、悟いたんだ、おはー
硝子もおはよっ」
「おー」
悟は「えーなんか冷たいんだけど、おたくの彼女」とさらに不満そうに傑に愚痴っている
そこで私は、朝ケータイで見た情報を思い出す
「あ、てか!今日夏祭りだよ~!今日の学校終わりにみんなで行こう~!」
「いいアイデアだね、香澄」
「え、いくいく~」
とまあ、あっさり夏祭りに4人で行くことが決まる
すると、ガラ、とドアが開いて夜蛾先生が教室にきて、話が打ち切られ、授業が始まった
(たのしみっ、!)