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いろいろ詰め合わせ(短編)

第2章 再会(澤村大地)


香澄side





遡ること5年前
これは、私が15歳になるちょっと前の話





ピーっ!


「外周行くぞ〜!」


「「えーーーー」」


顧問の声に、一斉にブーイングの声が上がる


5月の涼しいようで、暑いような、
ピクニックや散歩にはちょうどいい気候の中、
陸上部だった私は、外周のためにみんなで校門に向かっていた


「香澄ーーー、やだべーー」

と肩に手を回し、ぐったりしている様子で言う葉月


「ほんとだべ、、このまま種目練かと思ったのに〜」


「だべだべー」


校門に着くと、一緒に頑張ろう、と励まし合い、スタートする



中学3年生の私たちは、あと2ヶ月ほどで引退だ


なんだかんだ、長距離の葉月はスタートと同時に飛び出し、
先頭を切って後輩たちを導いていく



体力勝負ではあるが、走り高跳びの私は、なぜかやる気が出ず、
今日くらい、、と思いながらほどほどで走っていた



ボケーっと走っていると、急に横切る猫に気づかず、


「わぁっ!!?」

と間抜けな声を出して、避けようとする際に足を捻ってしまった


「、いった、、!」

捻った足を抑えるように、しゃがんで痛みに耐える私


(どうしよう、、)


しばらくうずくまって、考えていると


「どうした!?」

と、駆け寄ってくる彼





そう、初恋の相手、澤村大地




「大丈夫か?」

私に駆け寄り、足を抑えている私をみて、すぐに状況を把握したのか、

「捕まって」

と言って、私の腕を自分に回し、腰を支えながら運んでくれる


すると後ろから

「澤村〜、どうしたー?」

と彼と同じ部活の人が、声をかけてきた


「大丈夫!俺、菊川さんを保健室連れて行って、陸上部に伝えてくるから、部活進めといて!頼む!」


言われた人は、おっけーといって外周の続きをしていった


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