第12章 夏祭り(瀬呂範太)
香澄side
気合を入れて準備をした
浴衣も、髪型も、メイクも
一緒に花火大会行けるってなって、この1週間少しだけダイエットもした
(今日で、、せろくんとの関係、終わりにするんだ、)
鏡を見て、意気込むもこの関係を終わらすことに対して、少し泣きそうになる
「おまたせーーー!」
みんなのもとへ行くと、いつもより大人っぽい私服姿のセロくんがいる
ほぼむりやり言わせた「かわいい」って言葉も、私にとっては最高の誉め言葉だ
そのあと、みんなで移動し始めると、屋台がたくさんあって結局手分けして買ってからまた集合することになった
(私、特に食べたいものなかったし、それなら場所取りしたほうがいいよね、、?)
「じゃあ、私先に場所取りしてるね!」
というと
「じゃあ、俺香澄と一緒に場所探しとくわ」
とせろくんがいう
「ほらいくいくー!」と上鳴くんがみんなを散らばせて、私たち二人が残った
(やった、、二人きり、、)
「いこっか」
そう言って、手を差し出すせろくん
「、え、?」
差し出された手と、私の解釈が間違ってるのか、と困惑する
(こ、これって、、手をつなぐんだよね、!?)
「はぐれるといけないから、繋ご?」
相変わらずのイケメン具合に、きゅんとときめく
「ん、、」
差し出された手に、自分の手をそっと重ねると、
「違うでしょ」
と笑って言って、手の向きを変え、恋人つなぎをする
「っ、!!」
(ほんとに、、せろくんってずるい、、)
きゅぅ、と甘く締め付けられた胸の痛みに耐えきれず、下唇を噛んで下を向く
(せろくんの手、熱い、、)
歩き出した彼の背中を横目で見つめながら、私も歩き出す
そのあと、つながれた手を見るたびにキュンキュンしながら、みんなが座れる場所を見つけ、ブルーシートを敷く
「おっし、先座ってみんなのこと待ってよーぜ」
「うん!誰が最初にここ来るかな~?」
「予想しようぜ」
「当たったらジュースおごりね?」
「のった」
そんな会話をしながら、みんなに携帯で場所を送って二人で並んで待つ