第12章 夏祭り(瀬呂範太)
瀬呂side
「結局爆豪来たのかよーー!」
「うるせえ!帰るわクソっ!」
「爆豪そんなこと言うなよ~」
ぎゃははと大笑いの上鳴と、切島に連れてこられて怒っている爆豪、そんな爆豪をなだめる切島
そのやり取りを見て、笑っていると
「おまたせー!」
と香澄の声が聞こえて、そちらを振り向く
(、!?かわいすぎるでしょ、!)
一気に体の温度が上がるのがわかった
パタパタと下駄を鳴らして小走りでこちらへ向かってくる彼女
浴衣姿で、髪をアップしている彼女のうなじ、首元にグッとくる
「香澄かわいー!」
「ほんと!似合ってるわ~!」
女子たちとそんな会話をしている彼女から目が離せない
「ねぇねぇ、せろくん私かわいい??ね、どう?」
すると、いきなり、こちらを向いて至近距離で聞いてくる
「っ、!おう、!かわいい」
なるべくいつも通りを装って、サラッと言う
心臓はうるさい
「っ、、やった、、嬉しい」
可愛い、と言われると、顔を赤くして恥ずかしそうに俯き、笑ってそう言う
(ずっる、、)
つられて顔が赤くなってそうな気がしつつ、もう一度チラ、と彼女の方は向き、耳元に口を寄せる
「今日、花火終わったら、俺の部屋来なよ」
キュ、と肩が上がって、小さく頷くと
「、みんなのとこ、戻るね、」
と言って、パタパタとまた音を鳴らしてみんなのところへ戻っていく
ふぅ、と小さく息を吐いて、自分の気持ちを整える
「菊川、浴衣似合ってんなー!」
「また惚れ直しましたよってか!?」
両脇から楽しそうに現れる上鳴と切島
「うるせーーー!」
こんな感じで時々いじられながら、みんなで花火が見えるスポットへと向かう
「なにか買ってから行く~?」
「ウチ、ポテト食べたい!」
「あ、俺も俺もー!」
「手分けして買って、また集合しましょうか」
「そうだな!」
という感じで、何人かに分かれて、また集合することになった
「じゃあ、私先に場所取りしてるね!」
と香澄がいう
「じゃあ、俺香澄と一緒に場所探しとくわ」
俺がそういうとニヤニヤしだす上鳴と切島
「よぉーし、それじゃあまたあとで!」
「ほらいくいく!」とみんなを散らばせる二人