第11章 文化祭(宮侑)
香澄side
「は、?」
「治~~~!今日一緒n!?」
口をふさがれ、すごい形相でこちらを睨む
「あかんに決まっとるやろ」
「、!だ、だって、、、」
「とりあえず、サムだけはあかん」
ぐっと私に顔を近づけ、念を押すように言う侑
「なんや、香澄」
治は名前を呼ばれ、そのあとの言葉がなかったため、こちらへ向かってくる
「なんもあらへんわ、練習行くでサム」
答えたのは侑
こちらに向かっていた治の腕をつかみ、みんながいるほうへと戻っていく
ただ振り回されただけの治は「はあ?」ととても不思議そうだ
(もうええわ、、、)
はあ、とため息をついて私も部活へと向かう
振り返れば、最近は確かに喧嘩続きではあった
しかもささいなことで、、
例えば、部員と話す時距離が近いとか、今まで通りファンの子と話すぎとか、お互いがお互いの小さなヤキモチから来る喧嘩
今日のは、わたしがさみしいがゆえにでた不満、、
(最近、、一緒にいる時間も無くなって、前みたいに笑いあう時間も無くなっちゃったな、、、)
いろんなさみしさや思いが混ざって、もやもやとしている気持ちがさらに大きくなる
そんな気持ちのまま部活に行き、マネージャーとして、部活に参加する
大きなミスはなかったものの、小さなやらかしを何個かしてしまった、、、
ストップウォッチの押し間違いとか、洗濯機に洗剤入れ忘れるとか、、
(ああ、、あかん、ほんまに)
部員のコップを洗いながら、今日のことを振り返る
「はあ、、、」
と思わずため息をついてしまったそのとき
「香澄、幸せ逃げるで」
と後ろから声がかかる
「、治、、」
後ろを振り返るとそこには、かつて私が思いを寄せていた人がいた
「なんや、ツムやなかったからってそんな顔すんなや」
ぷぷっと面白がって笑う治
「うるさいな~、そんな顔ってどんな顔や」
「え、寂しそうな悲しそうな顔や」
「言わんでええわ、!恥ずかしいやん!」
きっと治は、わざとそういうことをいっている
「ツム、今日一緒に帰られへんのやろ?
話聞いたろか?」