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いろいろ詰め合わせ(短編)

第10章 愛という名の呪い(五条悟)


五条side



(ああ、何でこんな時に限ってこんなにめんどくさいことが重なるんだ、!)



あの日からもう2週間くらい経ったのでは、と思うほどに色々と余裕がない



(俺が、香澄に会ってない間に、他の男に言い寄られていたらどうするんだ)



変な心配なのはわかってても、それだけで嫉妬にまみれておかしくなってしまいそうになる





「あー、終わった、、


伊地知、もう僕働かないから、今日と明日」



怒りを含んだ声で伊地知に伝えると、ひぃっと肩が上がり、「わ、わかりました、!」と震えている



「じゃ、行くね」





そう言って、一瞬にして、今の時計を確認し、彼女の方へと向かう





(この時間なら、きっと自宅への道を歩いてるはずだ、)




歩き始めるとすぐに彼女が、下を向いて歩いているのを見つける
悲しそうな雰囲気を醸し出しながら歩く彼女の姿さえも、愛しく感じる



「香澄、、」




そのあと彼女に声をかけ、自分の思いを全部伝えると、堰を切ったように溢れる涙



でもそれは、悲しい思いからくるものではない様子


「それは、嬉し涙?」


彼女の涙を拭いながら聞くと、全力で頷く彼女



(あぁ、本当に君は、、)



早く彼女を抱きしめたい衝動に駆られ、彼女の家へと一瞬で移動する






「え、??」





初めての状況で驚きが隠せない様子の彼女

涙も止まったようで安心する



「香澄、早く鍵開けてよ」


「え、あ、うん、、」


僕が声をかけると、カバンを漁り、鍵を開ける



ガチャ、とドアが開いて閉まるまでに、彼女のことを抱きしめる



「きゃ、っ、」



ぎゅーー、と力を入れて、彼女がここにいることを感じる


「、あいたかった、、」


思わず俺の口から出る本音

すると、彼女の腕が俺の背中に回る



(幸せだな、、)


抱きしめ返されることに、この上ない幸せを感じていると


「、、わたしも、、」


と小さくつぶやく彼女の声が聞こえる



まさか彼女の口からそんな言葉が聞けるとも思わず、一瞬、理解するのに時間がかかる




(ほんと、、ずるい、、)



さらに彼女に落ちていく感覚に心地よさを感じ、抱きしめる力を少しだけ強めた











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