第10章 愛という名の呪い(五条悟)
香澄side
相手の声ははっきりと聞こえないけど、何だか慌てている様子だ
「はいはいわかりやしたー、行けばいいんでしょ行けば」
そう言ってぶち、と電話を切ると、私の顔を切なそうに見つめる
「ごめん、いかなきゃ」
再度、私のことぎゅと抱きしめ、首元に顔を埋める
「う、うん、、」
(むしろ、そっちの方がありがたいと言うか、、)
しばらくぎゅー、と私のことを抱き締めると、体を離し、綺麗な目で私を見つめて
「また、ちゃんと伝えにくるから」
そう言って、一瞬にして姿が消えた
しばらく何が起こったのかわからず、立ち尽くす私
「、、え、?」
ボワっ!と一気に体の温度が上がるのを感じる
(いやいやいやいやいや!!ないない!
悟が、私のこと本気で好きなんて、、)
先ほどの悟からの言葉が頭の中でリピートされていく
「あぁ、、もぅ、、」
悟を好きになる理由なんて十分すぎる
本当は超忙しいくせに家族がいない私をずっと気にかけてくれる優しさとか、どこにいてもすぐ来てくれるとか、私の小さな変化にも気づくとか、、
(こんなの、、ずるい、、)
まだ完全に彼のことを信じきれない自分と、もう素直に彼のことを好きだと認めたい自分が葛藤して、寝れない日々が続いた