第9章 これがいわゆる運命(?)(影山飛雄)
香澄side
しばらくの沈黙が2人を包み、ホテルまであと半分くらいの距離になった
「ちょ、、!ちょっと飛雄、早いよ、!」
足の長さがそもそも違うのに、体力的な面も全然ちがうため息が上がって仕方ない
「あ、、すまねぇ、、」
ハッ!と私の方を振り向き、私にペースを合わせてくれる
「ねぇ、飛雄、?」
「ん?なんだ?」
「さっき、仲間の方に何言われたの??」
ぎょ、とこっちを一瞬見て、顔が少し赤くなる飛雄
「なんでもねぇ」
「え、?」
(何でもない顔じゃないけど、、)
少しだけ、自分の中に淡い期待が生まれる
「手、、ずっと握ってるの気づいてる、?」
「え、!?」
やっと自分が私の手を握っていたことに気づいて、すぐに手を離す飛雄
でもすぐに、私は彼の手を握りにいく
「ちょ、おまえ、!?」
さらに顔を赤くして、私の方を驚いた顔で見る
「繋ぎたいの」
真っ直ぐ彼を見て、握った手に力を込める
「っ、!」
焦ったような困ったような、照れてるような、、そんな顔をして、前を向く飛雄
「、、ボケェ、、」
小さくつぶやく声
ホテルまであと少し
私は決心して彼に告げる
「あのね、、私、。ずっと飛雄のことが好きだったの、今もずっと、、
だからって付き合って欲しいとか、、そういうんじゃないんだけど、、でも、、」
一番に応援してるから、と言い終えると同時に、彼に手を引かれ、視界が彼の胸元になり、匂いが私の中に充満する
「と、とびお、、?」
不思議な気持ちと、キュンキュンと高鳴り続ける鼓動を感じながら、愛しい彼の名前を呼ぶ
「俺も、、香澄のことずっと好きだ」
「え、、?」
私は思いもよらない彼からの言葉に耳を疑った
飛雄はさらに私を抱きしめる力をぎゅ、と強め言葉を続ける
「さっきも、、お前が俺らの言葉がわからないのをいいことに、ちゃんと言えよって言われた、、」
「ん、、」
腕を彼の背中に回し、さらに鼻を彼の体に押し付け匂いを感じる
「俺、こう言うの慣れてなくて、、、すっげー恥ずかしいんだけど、、
俺と、付き合ってくれ、、」
「うん、!!嬉しい、!!」
まさか長年の思いが実るなんて思いもしてなかったため、涙が溢れる