第9章 これがいわゆる運命(?)(影山飛雄)
香澄side
そのあと、意味のわからない言葉に一度にたくさん投げられ、困惑していた私を飛雄が腕を引っ張った
自分のそばに寄せ、仲間たちに何かを言うと、みんな飛雄の頭をわしゃわしゃとして歩き出した
(なんか、、熱い、それにドキドキしすぎて死にそう、、)
腕を掴まれ、引っ張られたときの感覚と、近くに寄った時の彼の匂いが私の心を掻き乱す
・・・
結局、そのあと意味のわからない言葉で話し続けられ、飛雄に通訳をしてもらいながら食事を終わらせた
(ああ、、疲れた、、)
先に外に出て、ホテルまでの道を確認しようと携帯を見る
(そこまで、遠くないのか、、)
お礼を伝えてから、歩いて帰ろうと考えていると、いきなりガバッと肩に腕を回される
「きゃっ!!」
驚いて顔を見ると、そこには飛雄の仲間たちのうちの1人が私の肩に腕を回している
「ノー!ノー!」
とすり抜けようとすると、体格差、力の差がありすぎてすぐに捕まってしまう
わたわたとする私を笑いながら顔を近づけてくるその人
(さすがにやばい!)
そう思った私は、手で顔を隠し身を守ろうと構える
すると飛雄の声が聞こえ、肩にのしかかっていた重みがなくなる
ホッとしたのも束の間、グッと腕を引っ張られ、またあの匂いが鼻にかかる
きゅっ、、
「飛雄、、」
「香澄、離れるな」
きゅっ、、、
紺色の目で真剣に言われ、さらに胸が締め付けられる
(ああ、もう、、ずるい、)
その間に、仲間と何回か言葉を交わす
最後に仲間が飛雄になにか言うと、飛雄が顔を真っ赤にして私のことをチラ、と見ると、自分で自分の頭をわしゃわしゃとして私の手を引っ張って歩く
「え、!?」
「ホテルまで送る」
「え、!大丈夫だよ!1人で行けるよ?」
「さっきみたいなことまた起こったらどうすんだ」
「うっ、、そ、それは、、」
「送ってく」
「あ、ありがとう、、」
自分が私の手を引っ張っていることに、飛雄はきっと気づいてない
(もう少しだけ、、このまま、、)