第9章 これがいわゆる運命(?)(影山飛雄)
香澄side
上司の隣に座り、資料を準備しながら話を聞く
「そんで、梟谷の木兎ってやつが結構菊川さんのファンだったんだけど、木兎しってる?」
「はい、存じております」
(春高で準優勝だった高校のエースだ、、
そんな人が私のことを知ってるだなんて、、)
恐れ多い、と思いながらぺこぺことする
「それで、烏野と合宿したときに影山が俺の同級生ですって爆弾発言するもんだから、大盛り上がりだったよ〜」
飛雄の名前が出てきて、ピクっと反応する体
「飛雄、、、」
「おやおや??」
「、え?」
「おやおやおや〜?訳ありですか〜??」
さらにニヤニヤとしだす黒尾さん
「え、なにが、ですか?」
「え、だって今、飛雄って、、影山の名前だよね?」
心の中で思ったことが口に出てたらしく、ボワッと顔が赤くなるのがわかる
「い、いや、!これは、!!」
「ふーーーーーん、
ま、今回影山も誘うことになってるし、お願いしますよ??」
「え、??」
このあと、今回の黒男さんとの仕事内容を聞いていないのがバレ、上司に話を聞けと怒られた
更なる恥を黒尾さんの前で晒すことになってしまった、、
・・・
今回依頼を受けたのは、かつて同じ時代に戦ったライバル同士を集め、国、所属チームの垣根を超えたスペシャルマッチ企画の広報だった
(バレーボール、、!)
ワクワクが止まらないのを感じつつ、どう言う段取りで進めていくのかを話し合う
「まぁ、とりあえず僕と菊川さんは、一緒に国をまわってもらうよ」
「え、??」
「また話聞いてなかったのかな、??」
ニヤリとする黒尾さん
「いや!全部聞いてましたけど、!」
ギロ、と軽くこちらを睨む上司を横目に話を進める
「もちろん、交渉は全部僕だけど、選手の普段の様子とか?まあ写真に収めて、宣伝してくださいよ?」
有無を言わせないその感じ、、、
「は、はい、、」
その日からパスポートの準備やなんやらで忙しく、いつの間にか一番最初のアルゼンチン行きがそこまで迫ってきていた