第9章 これがいわゆる運命(?)(影山飛雄)
香澄side
そして、彼への想いを抱えたまんま、私は大人になった
大学に入ってからこの人いいな、と思うことはあった
でも彼より超えてくる人などいるはずもなく、、
(あと少しで26歳、、)
周りの友達は少しずつ結婚し始めている
相手すらいない私は、、
「、はぁ、、」
「おーい、菊川〜、聞いてるか〜」
「あ、はい!」
「だから、13時から打ち合わせあるから第3会議室な」
「承知しました!!」
「元気だな〜、はははっ」
上司は私を見て笑い、先に会議室へと向かった
(いかんいかん、ぼーっとしてちゃ、しっかりしろ私!)
心を切り替え、言われた通り、第二会議室へと向かう
私は、高校を卒業したあとカメラにハマってしまい、そのまま写真を撮る仕事をするためにこの会社に入り、広報部として働いている
(てか、、何の会議、、?)
話を聞いていなかったことを後悔しつつ、ガチャとドアを開けて会議室へ入る
「失礼します」
「どーぞー」
そこに取引相手としていたのは、、
「え、、、音駒の、、キャプテンの人?」
見たことのある顔に驚き、会議室のドアのところで立ち尽くす
「ん??おじょーさん、僕のファンですか??」
「あ、いや、なんでもないです、」
(白鳥沢のマネだったとて会ったこともないし、、)
そう思って、やっと歩き出し、会議室の机へと向かう
「ははっ、うそうそ、白鳥沢のマネージャーだった子だよね?」
「、え!?私のこと知ってるんですか、?」
まさかのことに驚く
「いや〜、烏野のとこのマネージャーも美人だったけど、テレビとか雑誌で白鳥沢の話でるとマネージャーがスッゲー可愛いって騒がれてたぜ?」
ニヤニヤしながら黒尾さんが言う
うちの会社のもう1人の担当の上司が「へー、意外なとこで繋がるんだな〜」と驚いている
「いやいや、そんな大袈裟な、、」
照れ臭さを感じつつも、久しぶりに褒められて素直に嬉しい