第8章 新しい幸せ(岩泉一)
岩泉side
「じゃ、岩ちゃん、次香澄ちゃんのこと大切にしてなかったら俺が本当にもらっちゃうからね!」
ピシ!と俺を指差して、ドヤ顔で言う及川
「うるせぇ、俺が香澄のこと大切に扱ってない時なんてないわクソ川」
「だよね」
とふふっと嬉しそうに笑い、手を挙げて、去っていく及川
(及川、何でお前嬉しそうなんだ、)
最後までクソだなと思いながら、香澄の方を見る
「は、はじめ、、」
目をきょろきょろと泳がせて、かなり動揺している
そこで周りに意識を向けると、チラホラと同じ学校のやつが何事だ、とこっちをみている
(やっば、、何も気にしてなかった、、!)
ブワッ、と一気に恥ずかしさが込み上げるも、香澄は俺のものだ、と示しているようで、なぜか嫌な気持ちはしない
(そうか、、これが)
先日、及川が言いふらしたくなっちゃう、と言っていた気持ちが少しわかった
「はじめ、、みんな、みてるよ、?」
いつもの俺とは違った様子に、驚いている彼女
「もう、いいんだべ」
まっすぐ、香澄の方を見て言う
「これからは、周りに何言われようが、香澄は俺の彼女だって見せつける」
その瞬間、彼女の目からポロポロと落ちる涙
「ちょ、香澄何で泣いてるべ、!?」
彼女に駆け寄り、顔を覗き込む
「だ、だって、、はじめが、、!そんなこと言うなんて、、
すっごく、うれしい、!」
泣きながら笑う彼女をみて、
「こんなことなら、、もっと早く気づいてればよかったな、、」
と香澄の頭を撫でて、以前の俺ならありえない言葉と行動
(もう、香澄のためなら、いいべ)
「泣き止め、一緒に回るぞ、」
照れ臭さは感じつつも、彼女の手を掴み、水族館を回ろうとする