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いろいろ詰め合わせ(短編)

第8章 新しい幸せ(岩泉一)


岩泉side



1日目の夜



いまだに連絡のない携帯を、何度も確認する



(、、くそ、、)



自分がこの1年間、香澄に対してしてきたことに苛立ちを感じる



「いーわちゃん、華が呼んでるよ」



と及川が話しかけてくる



「なんだよ」


「知らないよ、直接聞いてきなよ」


めんどくさい、と思いながら指定された位置へ向かう










ホテルのロビーに呼び出される


周りには何人かカップルがいたり、友達同士で盛り上がったりしている



「なんだよ」



「あ、岩泉、!いきなりごめんね、?」



「ああ、」



ちら、とまだ鳴る気配のない携帯を確認する



「私、、岩泉のこと、、好きなんだよね、」



長い髪を照れ臭そうに触るそいつ


特に何も感じることなく、そいつの言葉を聞く



「へー」



「だから、、私と付き合ってほしい、、」



「すまん」



「え、?」



「俺、大事なやつがいるんだわ」



「え、?でも、、彼女はいないって、、」



「あー、いや、、」



急に恥ずかしくなり、頭を手でわしゃわしゃと掻く



「、、いるの、?」



「、、おう、、」



(くっそ、、恥ずかしいべ、、)




「そっか、、聞いてくれてありがとう、、」


「おう、」



恥ずかしさのあまり、すぐに部屋に戻ろうと歩き出す





部屋に戻ると、及川がニヤニヤしながらこっちをみている


「なんだよ、クソ川」


「なんだった?告白だった??」


「そうだよ、うるさいぞ」


「岩ちゃんのくせに告白とか生意気なんですけど〜」


ドサッ、とベッドに腰を下ろすと


「ねぇねぇ岩ちゃん」


「なんだべ」


「明日、おれ、香澄ちゃんと水族館回ることになったんだよね」


「は?」


及川の方を見ると、ニコニコしながら話しているのかと思いきや、真剣な顔で話している



「言ったでしょ、岩ちゃんでも容赦しないよ」



「香澄は俺の、、」


彼女、と言いかけて、言葉につまる




しばらく沈黙が続いた後、



「及川さんにとられたくなかったら、明日頑張って探しなよ」



おやすみ!と言って、布団をかぶりやがった




「ぜってぇ、見つけてやる、、」




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