第1章 素直になれば(宮侑)
侑side
気持ちを伝えきってもなお、涙が止まらない様子の香澄
このままじゃだめや、と手を繋いで、ある場所へ向かう
「ちょっと、こっち来て」
「え、!?ぐず、、なんで、」
と言いながらも、大人しくついてくる香澄
ついた先は、先ほどまでいた部室
(鍵当番でよかったわ)
ガチャ、と鍵を開け、香澄を長椅子に座らせ
その横に座る
「ちょっとは落ち着いたんか?」
「う、うん、、」
「すまん、あそこで泣いてるとこ見られたくなかったんや
泣いてる香澄も可愛いから」
と伝えると、ボワっと音が鳴りそうなくらい、一瞬にして顔が赤くなった
「な、なに、急に、、!」
「急にやない、さっきも言ったけど、
俺はずっと香澄が好きやったから、ずっと可愛いって思ってるで」
「わ、わかったわかった、、!もういいから、、!」
あまりにも恥ずかしくなったのか、顔の前で両手をぶんぶんと横に振っている
「そんなことより、、さっきの答え、まだ聞いてへんのやけど?」
赤くなってる香澄が可愛くて、少し意地悪心が働いてしまう
「え、、いや、あの、、」
香澄は下を向いて、モジモジしだす
「、、ん?俺と、付き合ってくれへんの?」
俯いてる香澄を覗き込み、答えを促す
(こんなんもう、言わせてるのと一緒やけど、、)
「お、お願いします、、」
涙目になりながらも、ちゃんと目を見て、伝えてくれる香澄
(俺が言わせたけど、ずるいわ、、可愛すぎるやろ、、)