第1章 素直になれば(宮侑)
香澄 side
帰ってしまう!言わなきゃ!と思って、出た言葉に、再度固まってしまう侑
「ご、ごめん、、いきなりこんな、、」
やっぱり、だめやんな、と思うと、また涙が出てきそうになり、俯く
しばらく沈黙が続いたあと、やっと状況を整理できたのか、香澄に向かって歩き出す
「香澄、言わせてごめん」
「え、、?」
靴を脱いで、わたしの手を取ると、下を向いて、ふうと息を整えている
「あ、あつむ、?」
「香澄、、ずっと前から好きや。
約束破って悪い、本当に誰にも取られたくなかった
ずるくて、どうしようもない俺やけど、香澄を好きな気持ちは誰にも負けへん
もう一度、最初から、、次は俺の彼女として、そばにいてほしい」
伝えてくれている間にも、涙がボロボロと落ちて止まらない
「ズッ、、そん、な、う、うそ、」
「嘘なんかつかへん、ほんまや
香澄、好きやで」
再度伝えられるその言葉に、信じる以外の道はもうない
泣き続ける私に、侑は困ったように
「もう泣かんといてや、、俺、香澄の笑った顔が見たいねんけど」
と、涙を拭ってくれる