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いろいろ詰め合わせ(短編)

第8章 新しい幸せ(岩泉一)


香澄side


「香澄、?」



ハッと、我にかえり


「あ、いや、今日はもう、疲れたから明日に備えて帰って寝るね、?」


ごめん、というと、


「そうか、ゆっくり休むんだぞ、おやすみ」


と言って、電話が切れる



ふぅ、と一息ついて



「なにやってんべ、じぶん、、」


と独り言をこぼし、モヤモヤしたまま家に帰った




・・・





翌朝、いつもよりしっかりめにメイクをして学校に向かう


学校までの道を歩いていると、珍しく及川くんとはじめに会う


「あ、香澄ちゃーん!!」

「及川くん、はじめも、おはよ!」

「おっはー」

「おう、おはよ」


挨拶をして、他愛もない話をする

ほぼ及川くんが話しかけてくる



「てかてか、香澄ちゃん、今日メイクしてる??」


グッと顔を近づけて、じっと見てくる


「え、!わかる!?昨日葉月と買いに行ったの〜」


「やっぱり〜?おいかーさん、そういうのわかっちゃうからねーん
めっちゃかわいいじゃん!」


さすが及川くん、と新しくしたメイクを褒められてルンルンのわたし


一方、はじめは興味のなさそうにこちらをみている



「はじめっ!どうかな?」


ぐっ、とはじめに顔を寄せて、聞いてみる


すると、逆にぐっ、と体を押し返され、


「おい、誰かに見られたらどうすんべ」


と冷たい顔で言う



「、、え?」


あまりのことに、驚きが隠せない私


「あ、岩ちゃん、!さすがに、、」


と私の様子を見て慌てる



「あ?なんだべ」



不思議しか感じてなさそうな彼



しばらくの沈黙が3人を包む




「はぁ、、期待した私が馬鹿だったわ、、
及川くんに気づかれただけで喜ぶべきだった、、」




思うよりも何倍ショックを感じてるのをかき消すように、首を振り



「じゃ、はじめ、またね」



と冷たく言い放ち、葉月が待っているクラスの集合場所に向かった




(もう、、知らない、、)




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