第8章 新しい幸せ(岩泉一)
香澄side
無事、定期テストも終わり、明日から修学旅行
「早く帰って、明日からに備えるように」
と担任が言って、帰りの挨拶を学級委員がいう
「香澄~、明日からのなんかおそろい買い行こ~」
と同じクラスで仲のいい葉月が、私のもとへ来る
「いいよ~」
帰る準備を終わらせ、明日からの修学旅行の話で盛り上がりながら、教室を出る
横のクラスのほうを見ると、少し早く帰りの会が終わったのか、廊下で離す人たちが何人かいる
その中に、彼氏であるはじめもいた
(女の子と話してる、、)
男女5人グループで楽しそうに話していて、その中には、はじめと仲のいい及川くんもいる
ちなみに、葉月と及川くんは、私たちの関係を知っている唯一の二人
「香澄、あの中の髪長い子、岩泉のこと好きって噂だから、早めに岩泉にいうんだよ」
こそっと耳元で教えてくれる葉月
確かに言われてみれば、はじめにボディタッチが多いように見える
(私には、あんな顔して離さないくせに、、、)
勝手に一人で、むっとなりながら
「ありがとう、葉月、でも今はそんなことより明日からのことを楽しもう~!!」
と言って、その後の買い出しを楽しんだ
・・・
いつの間にか、日も落ちようとする時間帯になって、家までの道を歩く
ふと携帯を見ると、はじめから連絡が入っていた
『今から行く』
『おい』
『香澄なにしてる?』
最後には、『気づいたら電話してくれ』
と何度も送られてきていた
私は、すぐに電話をかける
2コールほどなると
「香澄、?!」
と少し慌てている様子の彼
「ごめん、!今気づいた、、葉月と買い物してた」
「それならよかったべ、今から会えるか?」
「え、いまから、?」
会いたい、と思ってくれていることに喜びを感じていると
「おう、、明日から、香澄に触れなくなるから充電させろ」
会いたいのではなく、そういうことをしたいという彼に、
(あの子とは、、一緒にいる時間作れるのにね)
と思わず、今日の帰りの光景を思い出して、いやな自分が垣間見えてしまう