第7章 守りたい人(宮治)
香澄side
その後は何事もなく、学校生活が進み、ついに旅行の日が来た
(楽しみ、!!)
集合場所の駅に向かいながら、初めてのお泊まりを兼ねた記念日旅行に胸の高鳴りが止まらない
電車から降りて、集合場所まで向かっていると
♪〜
と携帯がなり、確認する
『ついた』
と淡白な連絡
それとは反対に、スタンプまでつけてかわいく『私ももう着くよ!』と送り返す
キョロキョロとしているとうしろから
「香澄、」
と呼びかけられ、後ろを振り返る
(か、かっこ、いい、!)
私服までカッコいい治の姿に、きゅんきゅんしていると、いきなり顔を近づけてきて
「いつもよりかわいいやん」
と耳元で呟く
その瞬間に、私は体がボ、!と赤くなるのを感じた
「治も、、かっこいいよ、?」
照れくささを感じつつそう彼に伝えると、少し顔を赤らめて
「おう、ほな、行こか」
と言い、出された手をぎゅっと握り締め、旅行を楽しんだ
・・・
「それでは、ごゆっくりお過ごしくださいませ」
女将さんが丁寧にお辞儀をして、部屋の扉を閉める
「あー、足がパンパンやわ〜」
「普段、運動せえへんからやろ」
女将さんが出ていった瞬間、ごろんと後ろに倒れ、足を投げ出す私を笑ってみる治
何気ない会話をしているように見えるが、意識しない方が難しい隣り合った布団
(平常心、、平常心、)
ふぅ、と気持ちを落ち着かせるために、天井を見ながら一息つく
すると、ぬっ、と治が覗き込んできた
「大丈夫か?」
「え、!あ、うん!大丈夫!」
いきなりのことで驚き、体を起き上がらそうとする
「っ、!」
起き上がったことによって、さらに顔が近づいて、私は顔が赤くなるのを感じた
「ご、ごめ、、」
近すぎたことに動揺し、後ろに引き下がろうとすると
「香澄、?」
と後ろに下がろうとする腰を、逆に引き寄せられた
治の足の間にちょこん、と座らせられて、もう離れられないようにがっちり包み込まれる