第7章 守りたい人(宮治)
香澄side
いつも治が部活オフの日は、帰りの会が終わるとすぐに飛んで入ってくるのに、今日は来ない
遅いな〜とか思っていると、廊下がなんだか騒がしくて、廊下を見るとあまり良くない雰囲気の男女2人が、二つ先のクラスの前で話していた
まさか、と思いつつも、いつも横にいるはずの彼の雰囲気を感じ、目の悪い私は、話している二人に近づく
話し声こそ聞こえないものの、近づくにつれ、やっぱり彼であることに驚き、思わず名前を呼ぶ
「治、?」
こちらを振り向き、しばらく思考停止していた彼は、ハッと我にかえり、こちらへと向かってくる
「香澄、帰ろ」
と言って、私の手を握り、一度も振り返ることなく帰路に着く
「え、!?いいん!?」
「うん、もうええねん、大丈夫やから」
そう言って、いつも通り帰った
他愛もない話をしながら、オフの日の定番化しつつあるそのまま私の部屋で過ごす
「香澄、大学いけそうなん?」
「うん、!このままいけば、余裕で受かると思う!」
「おー、さすがやな〜、俺の可愛い彼女」
横に並んで座り、治が私の肩を抱いて、わたしの唇に小さくちゅ、とキスを落とす
「ほんま、??じゃあ、もっかいちゅーしてよ」
と治の顔を両手で包み込み、顔を近づける
「っ、、香澄、誰に教えてもらったん、、
そんな可愛いのずるいわ、」
少し顔を赤らめて、再び近づいてくる治の整った顔
ちゅ、、、ちゅっ、、
触れるだけのものが、すぐに隙間を割って入り、深いものになっていく
「、んっ、、、ンン、、」
離れられないように、両手を首に回すと、治の手が私の腰にまわり、横に座っていたのを治の膝の上に座らされる
「や、っ、、はずかし、、ンっ、、」
「誘ってきたん香澄やで、?」
目を細めて、愛おしそうに私を見つめる治にキュンと、胸がときめく
「、っ、ン、、ぁっ、、」
止まらないキスにクラクラし始めた時、
「、っあかん、、止まらへんなる、、」
と治は言って、私を膝から下ろし、横に座らす
物足りない気持ちを抑えつつ、治を見ると
「この続きは、、旅行の夜な、?」
と少し意地悪そうな顔をして微笑んだ