第7章 守りたい人(宮治)
香澄side
階段を上がり、3年のクラスが並んでいる廊下に差し掛かった時、
「香澄~、ちょっといい?」
と呼び止められる
振り返ると、
(またこの人たちだ、、、)
この学年では、ちょっと有名な派手2人組の女の子がいた
私たちが付き合う前から治と侑のファンらしく、治にアピールされているときから私のことが気に入らないとのことで、ちょくちょく嫌味を言ってくる
(結局付き合ってるのは私だし、いつも気にしないようにはしてるけど、、)
「なに、、?」
めんどくさいな、と思いつつ、聞き返すと
「いい加減、はよ別れてくれへん?」
「自分、私が治のことずっと好きなん言ったよな?」
腕組をして、ギッと二人同時に睨んでくる圧がすごくて、思わずうっ、とうろたえる
(いや、!負けない、、!!)
「治が私のこと好きになってくれたんは、治自身のことや
私がどうこうしたわけやあらへんし、そっちこそ本当に治が好きなんやったら堂々としぃや、!」
震える手を足を抑えながら、一気に伝えきる
すると、相手も一瞬ひるんだような様子を見せたが、すぐに
「自分、ほんまうっといねん!!!」
と言葉とともに、私のほうに伸びる手
ドンっ、となって、その衝撃に耐えきれず、そのまま後ろを倒れこんで尻もちをついてしまった
「った、、!」
「なにしてんの?」
違うところから声が聞こえ、そのほうを見ると声の主は、
幼馴染の信介
「北くん、、!?」
「いや、なんでもないで、!」
「そうそう、香澄が転びそうなの助けよう思ったら、それが遅くてころんでしもたんやんな、!?」
わかってるよね?という圧がすごい視線をこちらに向けながら、突然の信介の登場に動揺を隠せない2人組
「なんでもええけど、はよ教室戻りや、授業始まるで」
冷たい視線を2人組に向け、冷たく言葉を放つ
「あ、うん、!ありがとー!」
いこ!とお互いに声を掛け合い、走って教室に戻っていく二人