第7章 守りたい人(宮治)
香澄side
次の日の昼休み、食堂に集合し、お昼ご飯を食べながら旅行先を調べる
「どこもよさそうで、全部行きたいねんけど、、迷う、、、」
ん~~~と頭を抱える私をみて、ふっと笑う治
「よそ見してたら、香澄のお弁当、全部食べてまうで、これもーらい」
突然のことで、伸びてくる手を抑えることができず、あっさりと玉子焼きを奪われ、ぱくっと治の口の中に吸い込まれる
「あ、!」
「うまっ」
「え!ほんま!?私が作ったんよ!」
「まじ!?香澄、料理もできるんか~いい嫁さんなるな~」
ニコニコと私を見つめていう彼は、とてもかわいい
「てか、お嫁さんとか、、気が早すぎるで、治、、、」
治が発したいい嫁さん、というワードが恥ずかしくなり、赤らむ顔を手で覆いながら言う
すると、治は顔を覆った手をパシッとつかみ
「俺は、香澄とそうなりたいって思ってるんやけど、香澄は違うんか、、?」
ととても真剣な顔で言う
「い、いや、、、わたしも、いつかは治のお嫁さんになりたいで、、?」
恥ずかしさを感じつつも、本当の気持ちを治に伝えると、少し目を見開いた治は、
「ほんま、ずるいわ、、放課後、、覚えときや、、?」
と私に聞こえるくらいの小さい声で、言ってくる
(治、、耳あっか、、)
周りに人がいるにもかかわらず、自分たちのところだけピンク色に包まれているような感覚に陥っていると
キーンコーンカーンコーン
と予鈴が鳴った
「あ、なってしもたな」
「うん、また旅行のこと帰りに決めよ?」
「そうやな、じゃ香澄、また部活終わったら連絡するわ」
「わかった、勉強して待ってるね」
3分の1位のおかずを治にとられたからのお弁当箱を片付けながら、そんな話をして教室に戻る