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いろいろ詰め合わせ(短編)

第7章 守りたい人(宮治)


治side



「香澄~、準備終わった~?」


教室に入ると同時に、声をかけるとびくっと彼女が体を跳ねさせ、振り返る



「きゃっ、!ちょっといきなり声かけへんといて、びっくりするやん」



もー、と言いながら鞄を持って、俺のいる方へ向かってくる



「声かけるときは、いつだっていきなりやねん」


「そう言われれば、そうや」


確かに、と納得して、


「いこっ!」


といつも通りかわいい笑顔で言ってくる彼女



そこでふと思った



(さっきの女たち、香澄になんか言うたんか?)



付き合ってから今まで、ほぼ毎日欠かさず一緒に帰っているが、彼女から何か変な雰囲気を感じたことはない



(言われてたとして、全部隠してるん?)




気になってはいたものの、そのまま部活のことや授業のことなど他愛もない話をしながら帰路につく


 








家が近づいてきたとき、ふと思い出して




「てか、香澄、誰かになんか言われたりしてへん?」


「ん?」


「いや、俺と付き合ってることに関して」


「なんも言われてへんよ、、?」



不思議そうな顔で、首を傾げていう彼女




(変な様子もないし、、)




「それならいいねんけど」


「うん、?」


まだ不思議そうな顔で、俺を見つめる彼女に、少し安心して



「3か月経ったし、どっか行かへん?」



とデートの提案をすると、一気に顔がぱぁっと明るくなり


「行きたい、!!」


と俺の腕にしがみついてくる




「おっしゃ、じゃあ、、、泊まり旅行、とか、?」


淡い期待をこめて、彼女に問う

少し考え、意味を察したのか顔を赤くして


「うん、、ええよ、、?」


と小さくうなずいた



「決まり、!明日の昼休み、行先とか決めようや」


「うん、!」


かわいく笑った彼女に、触れるだけのキスを落とし、そのまま家に帰した



(これまで以上にちゃんと、見とかなあかんな)




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