第7章 強くなりたい
汗でベタベタな侭、朝食を食べる気にはならなかった為、一度部屋でツナギを着替えて汗を濡れタオルで拭き取った。
(ちょっとスッキリした。)
今日は非番な為、朝の時間は好きに使うことが出来た。
食堂に入ると、美味しそうなご飯の匂いが漂って来て、素直なお腹はそのままぐるぐると鳴っている。
ペンギンやシャチ達は既に食べ始めていた。
だが、辺りを見回してもローの姿は見えない。
(まだ寝てるのかな…。……って別にキャプテンがどこに居ようと私には関係無いし。無意識に探してた自分が怖い。)
無意識にローの姿を探していた自分に驚きつつも、ベポの隣に座って一緒に朝食を摂った。
「、キャプテンはまだ寝てる?」
『うーん、分からないけど多分寝てるんじゃないかなぁ。まだ今日は会ってない。』
「そっか。じゃあ、後でキャプテンにおにぎり持って行ってあげて。」
『うん、良いよ。』
そう言ってベポからシェフが作ったおにぎりを渡される。
気付けば他のクルー達はに聞けば、ローがどこにいるか分かると思い込まれていた。
確かに自分の部屋が出来るまではローの部屋で過ごしていた為、比較的彼の所在を認知し易かったのはあるけど。
あと、寝起きの彼は不機嫌な事が多い為、に任せるのが一番平和に済むという理由もあるらしい。
断る理由も無かった為、ベポからおにぎりを受け取った。
だが、若干気不味い事には変わりない。
さっき着替えた時、少しでも薄くなっている事を期待して肌を見たが変わらず紅いキスマークがくっきりと付いていた。
虫刺されなんて誤魔化せないレベルだ。
(ローさんの馬鹿。)