第6章 初めての上陸
ローの仲間になって、早1週間。
少しずつ船での生活にも慣れてきた。日中は、ベポ達との鍛錬を続けながら、洗濯や食器洗いなどの家事や、ちょっとした怪我をしたクルーの手当などをしながら、空いている時間に毒薬の研究をしている。
「サンキュ、ちゃん。まさか、階段から滑り落ちるとは思わなくてよぉ。」
『これくらいお安い御用だよ!怪我、気を付けてね。』
「おう…!」
いつも怪我をすれば大概ローに治療をして貰っていたクルー達だが、余りに小さい怪我だと逆に叱責されたりする為、自力で手当てするクルーも多かった。
しかし、が来てからはどんなに小さな怪我でも心配して看てくれるだけでなく、彼女の作る傷薬はとても治りが早かった為、の元へと訪れるクルーが多くなった。
「コラ、お前ら。あまりの仕事を増やすな。」
列を成して皆んな並ぶものだからそれを見兼ねたローが声を掛ける。
『ローさん、良いんです。私が好きでやってるようなものですから。それに、折角身につけた知識も使わなければ勿体無いですからね。』
「……無理はするな。」
(チ…ツ、あれじゃあ俺が牽制した意味がねぇじゃねぇか。)
『はい!』
(ローさん厳しいけど、何だかんだ心配してくれている優しい船長だよなぁ。)
この1週間はとにかく平和だった。敵襲もなく、海軍にも遭遇していなかったし、海もそう激しくは荒れなかった。