第10章 使命感
そうしてリビングに戻ると、気構えていたりんをよそになんてことない微笑ましい生徒達の話を始めた。
(……楽しそう…。)
りんは眩い笑顔に救われながら、その表情を見てそんな事を思った。
(仕事の事を思いながらこんな風に笑えた事なんてあったかな…。)
答えは分かり切っていた。
杏(…………………………。)
りんの沈んだ表情を見た杏寿郎は、困ったように笑いながらりんの頭を撫でた。
「あ…、すみま」
杏「元気づけようとしたのだが、逆効果だったようだな。宇髄が校長先生に叱られた時の話の方が良かっただろうか。」
謝ろうとしていたのに、杏寿郎の優しい笑みに罪悪感が溶けていく。