第10章 使命感
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(明日どんな顔をして部長と接したらいいんだろう…。)
風呂上がり、りんはそんな事をぼんやりと考えながら髪を梳かしていた。
しかし、髪はとっくの昔にサラサラになっている。
杏「………。」
帰ってこないりんの様子を見に来た杏寿郎は、そのぼんやりとした様子を後ろから確認すると腕を組んだ。
杏「…りんさん。」
「!」
りんは肩を跳ねさせると急いで振り返る。
「…はい。どうしましたか…?」
杏「……いや、終わったのならリビングへ来てくれ。」
杏寿郎は柔らかい微笑みを浮かべながらそう言うと、小さく手招きをした。