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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



松田「まぁ通報者の存在を大っぴらに喋った目暮警部はアウトだからな、犯人の危険度も分かってねぇのによ。『捜査で来てた』ですむようなものを……」



確かに元の姿の頃に、そういう依頼人や警察の捜査報告に記された人物のいるケースもあった。それも依頼者への金銭と人質の交換を目的にした誘拐行為や、警察への挑発による愉快犯の悪質な電話の場合もあれば、ただ警察相手に悪戯を仕掛ける電話、警察や探偵を「試した」などと宣う挑発行為などもあったのだ。

そうやって松田刑事から注意されて、組織の事を伏せた通報内容を考えて博士が目暮警部や馴染みの刑事に電話するのもアリだったのだと気づいた。更には松田刑事は目暮警部の迂闊な発言にも腹を立てていて、ごもっともな悪態を吐いていた。流石にこうなっては、曖昧な情報で誤魔化す他が無く。



コナン「……じ、実は学校の帰りに、真っ黒い服着た不審者が人目を忍んで話してるのが聞こえたんだ」

松田「!」



冷静に言葉を選んで、嘘だとバレにくい作り話を紡いでいく。組織の事を言った所で存在する証拠が今はないし、組織犯罪はその解体と捕縛を仕事にした適切な部署しか対応しないと姉さんや父さんが言っていたな。



コナン「その人達の会話は、その……本当に偶然(ジンの愛車に盗聴器仕掛けて)聞こえたんだ!だけど隠れる必死で(ピスコの)姿は確認してないし、会話の録音も出来なくて……それで、博士と灰原に止められたけど、どうしても来たくて……」

松田「ほーん……だから警察にあんな悪知恵を使ってまで通報しといて、自分も現場に行かないと気がすまねぇから犯行場所に顔を出したと?」

コナン「し、知っちゃったら放っておけなくて……あはははっ」

松田「……」



この人にAPTX4869の話は出来ない、本当の理由を口に出来ないのが酷く悔しい。会場へ無理に侵入した理由を詮索されないよう、子供らしく笑って何となくで誤魔化すしかなかった。向けられる視線と言葉に鋭い棘がある。自分でも口角が引き攣ってる自覚がある笑い方しか出来ず、そんなオレを真顔で見つめる松田刑事は何故か黙り込んでしまった。そうして、そのまま何秒も無言なので次第に苦笑いするのも気まずくなった時……。



松田「……そうか、じゃあもう話は終いだ。お前らの保護者にはすぐに連絡しておく、つーか博士とは一緒じゃねぇんだな」
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