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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



お姉さんにそれらを指摘された工藤くんに反論はなく、苦虫を噛み潰したような顔で素直に注意を聞き入れていた。


そうして改めてやってきた偲ぶ会の会場内では、既に時間が迫っているのもあって埋め尽くすほど大勢の喪服を着た男女が飲食をしながら各々雑談していた。周囲の誰かが組織の人間だと思うと気分が悪いし、嫌悪感も吐き気も堪らない。息が詰まりそうなほどの緊張感と、これから偽装演出の為とは言え、あのジンやウォッカと対峙すると思うと工藤くんから離れたいし、奴らと会うのも嫌……。

そんな内心を秘めた私と工藤姉弟はなるべく目立たぬように集団を間を掻き分けて歩いていたけど、会場をある程度歩いた所で椎奈さんが私達を振り返ってしゃがみ込んだ。



椎奈「それじゃあ二人とも、私も同業の友人を待たせてるからもう行くわ」

コナン「ああ」

椎奈「コナン。最後に改めて言うけど、何事も節度を持って行動しないさい。哀ちゃんは無理にこの子に付き添う必要はないわ、この場が不安なら共通の知人も見かけたし、彼らといるのも良いし」

灰原「!!」

コナン「彼ら?知人って誰がいたんだ?」



椎奈さんの発言は要するに、工藤くんとの別行動が計画の支障にならないということ。正直、聞かん坊な彼にストレスか溜まっていたし、周りは知らない大人ばかりで憂鬱だったから大助かりだわ。工藤くんはそんな含みのある発言よりも、共通の知人が気になっているようで、「ほら、あの人」と目線で示された人物を見ると訳知り顔で頷いた。その人達とは捜査一課の目暮警部と高木刑事だった。それから椎奈さんは何処かの友人の元へ行ってしまって、あっという間に彼女が見えなくなった



灰原「……ねぇ。もしかして、彼らがいる理由を知ってるの?」

コナン「ああ。ここに来る前にトイレで通報しといたのさ、変声機で機械音にして殺人事件が起こるってな!」

灰原「そう……。まぁ奴らの音声を記録して証拠に出せば、警察も信憑性を疑わないものね」

コナン「……へ?」

灰原「え?」



なんだ、猪突猛進でも通報はしたんじゃない、と思って納得してると何故か工藤くんからキョトンと間抜け顔をされた。思わず私も首を傾げていたら、ハッとした彼から「な、何でもねぇよ……」と目に見えて焦ってる誤魔化し方をされた。なるほど?
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