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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列



椎奈「一体何して、どうしてここに来たのかなぁ〜?」

コナン「そっ、それは……!えっと、は、話は帰った後で絶対するから!だから取り敢えず今は中に入れてよ!ね?!」



正体はやっぱり椎奈さんだった。母親譲りの可憐な顔でニッコニコの愛らしい笑みを浮かべ、それでも威圧感のある怒気を放っている。そうして突如現れた姉に工藤くんは最初こそラッキーと言いたげに笑ってたけど、振り返り様の姉の様子に口角を引き攣らせながら冷や汗を流し、Uターンして引き摺られながらあれこれ誤魔化す声も裏声並に上ずっていた。と言うかこのお姉さんとの会話とリアクション、まさか工藤くんはここまでの移動時間に椎奈さんに報告してなかったの?私は立場上勿論してるし、博士も怠るようなサボりじゃない。工藤くんも家族の反対を押し切って命懸けてる身でしょう、あれだけやらかして何かあったら連絡忘れたじゃすまないのに?!



灰原「何かあったら最悪を見越して、少しでも事前に報連相するのは基本でしょ……サボりは貴方だけよ?」

コナン「ドン引きしながらサボりって言うのやめてくれ…!」

椎奈「事実でしょうが……。まったく、取り敢えず邪魔になるから入るわよ。私の連れってことにしてあげる、ただし……」



まずは潜入するなら喪服に着替えようね、私服で素顔丸出しのキッドキラーは大層目立つだろうから。そう言って反対の手に持っていた紙袋を二つ私達に見せる様に掲げ、工藤くんを抱き上げた彼女が『それぐらい気づこうね』と言いたげに優しく耳打ちするのが聞こえ、がっくりと項垂れる彼には内心、自業自得だとそっと息を吐き出した。












私達はホテルのトイレで渡された喪服に着替え終え、私服は車で待機中の博士に預けておいた。その時に博士から念を押すように「気をつけるんじゃぞ」と一言もらい、椎奈さんを見て明から様な安堵の表情をするので、工藤くんは少々気まずそうに顔を逸らしていた。潜入や張り込みというのは、周囲に溶け込んで対象に警戒心を与えてはならない。確かに「まさか子供が……」とは思わないのだとしても、その油断は本来探偵である彼にとっては怠慢や手抜きに相当する。ましてや偲ぶ会では一流の芸能人や同業、政治家が大勢いるので、子供と言えどマナー違反には無言ながら厳しく見られかねない。
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