第35章 チョロいんです♪
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無一郎「分かったよ。僕、家族って兄さんしかあまり憶えてないけど、まゆお姉さんがお母さんって良いかもしれないって思う。理由は分からないけど…」
有一朗「俺も…父さんと母さんの事は忘れない。でも今はそれで良いや!あっ、まゆ姉さんって言うのは変わらないからよろしくね」
はい、オカン決定。おめでとう私!!正直、昔の事はまだ忘れてないしムラムラ…ちゃう、ムカムカしてる。モヤモヤが消えないのよね。でも無一郎と有一朗は可愛いのよ(笑)
まゆ「有一朗、無一郎…ほら、おいで。私はお姉さんでもお母さんでも良い。二人は間違えなく家族だよ」
二人はお腹の赤ちゃんに気を使ってか、ソッと私に抱きついた。寂しかったのね…。それでも気を使えるこの子達はとても良いご両親に育てられたのだろうと思う
有一朗「姉さん横になりなよ」
無一郎「そうだよ。顔が真っ白になってる」
まゆ「うん、そうさせてもらうわね。ありがとう」
私達にご両親の代わりが出来るわけない。だけど、子供らしさを失わせたくないわ。だから、せめて側で見守らせてね
雅勝・理壱「「僕もー!!」」
あらあら、甘えん坊さんなんだから♪
横になった私に子供四人の体温が伝わってくる。幸せだなぁって、改めて思った
美月「私もぉ〜」
縁壱「お前は飯の支度をしなさい」
美月は『はーい♪』と言いながらご飯の支度にむかった。踊りながら
美月のテンションがおかしい…何があったの!?
美月「無一郎と有一朗が弟になったぁ〜♪これで存分に可愛がれるっ!!ブフッ」
縁壱「美月、鼻血を拭きなさい」
巌勝「私の弟子だった頃と変わり過ぎではないか?もう少し凛としていた気がするのだが…」
まゆ「はっちゃけでしょ。雅勝と理壱が産まれたのは美月が獄卒になってからだからってものあるかもね」
ソックリ四人は美月を見て『姉さん怖いよっ』と引いていたとかいないとか
あっという間に夕餉の時間。子供達は美味しい美味しいとニコニコして、とある大の男二人は『美月…いつの間にか大人になったのだなぁ…』と、さめざめと泣きながら食べている
美月「いい加減慣れてね。ってか、つい最近こんなやり取りしたから!!」
巌勝「嫌だ」
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