第3章 運命の歯車
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まゆ「(縁結び、結婚祈願…まさか、これで未婚の女性を誘き寄せてた?ならば大女優の私が!)あぁ、イケメンの彼氏欲しいなぁ、そんで結婚してぇ♡玉の輿最高!キャッ♡神様に祈ろーっと♪」
随分と大根であるが誘き寄せるのは成功したらしく、鬼の気配が濃くなった。その瞬間まゆ目の前に異型の物が現れる。縁壱の見立ては、相当な数の人間を喰っており『血鬼術が使えるのではないか』と
縁壱は飛び出して行こうとしたが、その瞬間まゆの気配が変わったのを感じる。その気配は柱を凌ぐ程の鋭さを持っていた
縁壱「(様子見だな…)」
縁壱はまゆに任せてみようと思い、その場を動かなかった
鬼「ガオー食べちゃうぞー」
まゆ「日の呼吸・碧羅の天!!」
スパッと云う音と共に鬼の頸が落ち、安堵と共に縁壱の肩の力が抜けていく
鬼「出番これだけなんて聞いてない…」
まゆからは昼間より威力が膨れ上がった技が放たれ、鬼は意味不明な言葉を遺し消え去った
縁壱「(昼間とは威力の桁が違う…まゆから一瞬、別の力が吹き上がった気がしたが気のせいか…?)」
縁壱には、発せられた力が見えていたが何かわからない。もしかしたらまゆ自身も知らない可能性もある。傷つけてしまう可能性がある以上は黙っているしかない
まゆは「縁壱お兄様ぁー!!」と手を振りながら縁壱の元へ走って行くと、縁壱は無意識に両手を広げ待ち構える。まゆが縁壱の腕に飛び込んでいく
縁壱「よくやった。本部に行って報告をせねばな」
まゆ「えへへっ♪」
縁壱が頭を撫でるとまゆは照れた様に笑う。その姿が可愛くて、縁壱の心臓が跳ね上がる
縁壱「っ…(邪な考えなど捨てねば…)」
それを誤魔化すかのように「そうだ、夕餉も食べような」とまゆを抱き抱えて本部への道を走り抜けた
本部に着くと縁壱は直ぐに報告書を書いて事務課に持っていった。浦太郎の様な女好きの輩に絡まれたら堪ったもんじゃないので、当然の事ながらまゆを連れて行く
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