第3章 運命の歯車
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矢吹「カァー!明日隼人ガ日柱邸ニまゆノ荷物届ケルッテヨー。継子ノ件了承!クレグレモ妹ヲ宜シクシテクダパーイ。詳シイ話ハ荷物ノ時ィーーーウェーイ」
縁壱「そうか、ありがとう」
まゆ「矢吹ありがとう!」
二人は矢吹に礼を言い今度こそ寝室に向かった
縁壱「今から布団を引く、少し待ってなさい。寝間着にも着替えねばな」
まゆ「はい、えっと寝間着は明日まで無いです…」
本来なら明日から最終選別な為、明日まで本当に何も私物が無かった
縁壱「そうだったな、では私のを…否、まゆには大分大きいか、ならば着ていない薄手の羽織を出そう。帯を絞めれば良いだろう」
まゆ「何から何まで申し訳ありません…」
まゆは縁壱の薄手の羽織を帯で締め寝間着とした。縁壱の身長が大きい為、しっかり膝上まで隠れたので問題は無い
縁壱「ふふっ、やはりまゆは小さいな」
縁壱はまゆを布団の中で幼子をあやすように抱っこして背中を叩いている
まゆ「あっ、赤子ではないですよ…///」
縁壱「まゆはこうすると直ぐ寝ただろう?」
縁壱は幼き日を思い出していた。まゆは遊んでいる最中に眠くなると巌勝か縁壱どちらかに抱っこをせがみ「お背中ポンポンしてください」と言って、背中を叩くと直ぐに寝てしまっていたのだ
「むぅ…眠くなんか…ふぁぁ…」
まゆは「眠くなんかない」と言い掛けて直ぐに寝てしまった。家を出てから走り続け、鬼を結構な数を狩り疲れてしまった様だ
縁壱「強がりも変わらず、そのままではないか…」
縁壱はまゆが完全に眠りに落ちたのを確認すると、背中を叩く手をまゆの後頭部にやり、自分の胸元にかき抱いた
縁壱「おやすみまゆ…」
実を言うと縁壱がまゆに女を感じていないわけではない。三つの頃と違い女性らいしい身体つきに、内心身体の芯が熱くなるのを感じている
しかし幼馴染であり兄であり、師である自分が邪な気持を抱いていてはいけないと必死で頭を空っぽにし自分も眠りについた
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