第3章 運命の歯車
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竜「ってなわけでよ…鬼殺隊に行ったなんて言えねーし、少し胸が痛かったわけよ」
旬「巌勝がまゆをまだ忘れられず、お前の嘘が下手という話な」
隼人「うむ、わかりやすいな!」
確かに竜の嘘は普段から分かりやすい、それを見破れなかった巌勝は随分と混乱していたのだろう
もう一つは、縁壱を信用しているが万が一があるかもしれないという事だった
まゆが縁壱に巌勝を重ねてしまい、縁壱に誘われ身体を許してしまったら、又はまゆが誘ってしまったらと心配なのだ。隼人一人だけだったが
旬「兄貴、まゆはそんな馬鹿じゃないし縁壱もそんな男じゃない。例えまゆと縁壱がどうこうなっても二人共もう子供ではないんだから良いじゃないの!」
隼人「むっ、万が一という事もあるだろうに…」
竜「俺は縁壱なら良いかな」
旬と竜の言葉に隼人は『うーん、確かに一理ある』と思い、最終的には「なる様にしかならぬか。ふむ、竜の言う通り縁壱なら安心ではあるな」と何時もの調子を取り戻していた
隼人「矢吹、縁壱に『くれぐれも妹を宜しく頼む、荷物は明日俺が日柱邸に持って行く故、その時話をしよう』と、了承の意を伝えてくれ!無論、巌勝とまゆの事は言うなよ?」
矢吹「リョカーイ」
隼人は自分の鎹鴉である、矢吹を飛ばした。縁壱とまゆは日柱邸に既に着いて寝る用意をしていた
縁壱「何か不便があったら言ってほしい」
まゆ「はい!大丈夫です♪」
縁壱は『透き通る世界』でまゆの体調をみていた。不安や緊張からか、筋肉が強張ってしまっているのが見て取れた
縁壱「今夜は一緒に寝よう。環境が変わって不安だろう」
まゆは「えっ、でも…」と羽織の裾をギュッと握り俯いた。強がって不安を隠す時は昔からそうだったのだ
縁壱「遠慮などするな。ほら、おいで…」
縁壱はまゆを抱っこして寝た方が良いだろうと判断し、まゆの手を引き寝室に行こうとした。そこ時、矢吹が隼人の意思を伝えに来た様で鎹鴉用の木枠から矢吹が顔を出した
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