第29章 下山とウッカリと後の祭り
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黒死牟「はい。私はもう鬼ではなく、縁壱の様な存在です。今回、ある程度力を取り戻した事によってまゆが今迄出来なかった術を行使できる様になりました故、早々に霊気構造の変換の儀を致しました」
槇寿郎「そうか、おめでとう。まゆでもたまには誰かの役に立つんだな」
娘に言う言葉じゃなぁーーーい!!
まゆ「鬼殺隊としても魔族としても沢山人を助けてきましたけど!?これからも超頑張るんだからぁ!!うわぁ〜ん(泣)」
槇寿郎「そう言えばそうだな。それよりも語彙力の成長はしなかったのが父としては悲しいと思う」
巌勝さんが「まゆは良くやっているぞ。とても人の役に立っているから泣くな…」と手を握ってくれた
縁壱「お義父さんの言いたい事は分かりますが、語彙力は表情で賄っておりますから良いではないですか」
槇寿郎「まぁ、今更か(笑)」
まゆ「すみませんね、分かり難くて!」
黒死牟「気にするな。私達は分かるから…」
ムゥっとほっぺたを膨らませて拗ねてたら、巌勝さんが慰めてくれた。そんなやり取りをしていると杏寿郎と千寿郎が母上と共に帰って来た様で「ただいま帰りました!!」と元気な声が聞こえてくる
杏寿郎「まゆ達が帰って来たのか!?」
まゆ「やほっ!」
メドーサ「久し振りじゃないか。杏寿郎」
杏寿郎の顔がパァーッっと明るくなる。そんなに嬉しいのかしらね。喜んでいる様で何よりだわ!
杏寿郎「師匠、大変ご無沙汰をしております!!会いたかったです!!」
槇寿郎「お前はもう少し静かに出来んのかっ」
メドーサ「本当に可愛い弟子だねぇ」
メドーサが微笑んでる!?えっえっえぇーーー!!
それは女神時代に見た綺麗な微笑みだった。無理矢理堕天させられたアノ日以来見た事なかったのに…
まゆ「やっと笑った…私の大好きな顔」
メドーサ「大袈裟だねアンタは。アンタや杏寿郎を見てるとね、いつまでも暗い気持ちでいるのが馬鹿らしくなってくるんだよっ」
縁壱「良かったな」
泣いても良いですか?嬉しくて嬉しくて…
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