第22章 娘の彼氏
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私と杏寿郎の誕生日会をした五日後、陽縁と茄子君の交際は無事に認められた。だけど縁壱さんのみならず、巌勝さんも少々不安になったらしい…
その日、朝から私が腕によりを掛けて昼餉の下拵えやらをしていた。巌勝さんは早くから道場で稽古をしているが、縁壱さんは布団から出て来ない
もうすぐ陽縁と茄子君が屋敷にやって来る時間だ。私は『またか!!』と思い寝室に呼びに行ったら案の定、布団に簀巻状態で包まっていた
まゆ「縁壱さんっ、おはよ♡起きてくださいな!陽縁達が来るわよ?」
縁壱「すまないが具合悪い…」
まゆ「私が何を司る悪魔かご存知?治しましょうね」
縁壱「眠い…」
まゆ「『覚/醒』かしらね」
縁壱「………分かった、起きれば良いのだろう…?まゆは意地が悪い」
まゆ「往生際が悪いのは頂けないわ。分かっててやってるのよねぇ」
縁壱さんは「そんなに言わなくても良いではないか」と言いながら起き上がり、布団を畳んでいる。私は娘達を迎える準備をしに居間に戻った。お客様が来る前に準備を終わらせなきゃね♪
暫くすると縁壱さんが居間に来て座布団に座るが、いつも以上に無表情だ
縁壱「遅い…」
まゆ「まだ約束の時間まで少し有るわよ。普段は、文句言わない癖に」
機嫌は良くないみたいね…再会後に出来た子で、縁壱さんが育てたに等しいから余計に可愛いみたいだし、仕方がないっちゃ仕方がない
縁壱「こういう時は少々早く来るのが通りだ」
まゆ「はいはい、そうね。あっ…」
黒死牟「ん?風呂に入って来た。汗をかいたからな」
なんと巌勝さんが褌一丁で登場、片手には浴衣を持っている。私は嬉しいけど早く浴衣を着てください!
縁壱「兄上、もうすぐ陽縁が来ますので浴衣を着てくだされ」
黒死牟「もうそんな時間か、すまん」
浴衣を着て縁壱さんの隣に座る巌勝さん。そこは母の席だと思うんだけど、私は何処に座ったら良いのかしら…
コンコン
陽縁・茄子「お邪魔しまぁーす!!」
まゆ「いらっしゃい!ささっ、上がって!お茶とジュースどっちが良いかな?」
玄関がノックされ、陽縁と茄子君が屋敷に上がった。元気に挨拶をする二人に癒やされるわぁ〜
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