第17章 大正恋物語【煉獄家】
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ここはまゆと縁壱が住む、神魔中立地帯の城である。およそ二十年前に前知魔ラプラスによる細かい説明とともに「大正という時代に戦いが激化する」と言われ、今日はいよいよ転生する時なのだ
まゆ「転生先は煉獄家か…懐かしいわね。美月、雅勝、理壱、鬼灯君!私の超絶愛する旦那に色目使う女は全て抹殺よ。分かったわね!」
皆が「任せろ」と頷いて、力こぶを作った。鬼灯に至っては「必ず仕留めます」と、金棒をブンブンしている。正に鬼に金棒である
縁壱「そのような女子は居らぬ故、安心して行って来なさい。記憶が戻ったら、また会える…」
まゆ「むぅ…縁壱さんが、超格好良いから心配なの!」
一ノ瀬「こらアホ上司、さっさと縁壱殿に使い魔渡して逝って来い!」
鬼灯「一ノ瀬さんとは、やたら話合うんですよねー」
美月・雅勝・理壱「でしょうね…」
上司にやたら厳しい部下は一ノ瀬という、平安時代の元陰陽師である。まゆは「わかったわよ!!」と言い、使い魔一体を縁壱に渡した
縁壱「ソル、よろしく頼む。現世への行き来と連絡をソルを通じて行えば良いのだな?」
まゆ「まぁ、そんな感じかしらね。何か有ったらグラウも居るし、連絡には事欠かないわ!それより暫く会えないんだから、濃ゆい口付けして♡」
雅勝「怖っ!濃ゆい口付けとか何!?」
縁壱「あぁ、記憶は無くとも、魂が忘れられぬ程の口付けをしよう」
美月「するのね…バカ親共は…」
見送りに来た皆の前で、希望通りの濃ゆい口付けを交したまゆと縁壱は、名残惜しそうに唇を離した
まゆ「転生準備完了!今回は記憶も魔力も、しっかり持たせなさいよ!(ドシッっ子居ないから大丈夫よね…多分…)」
鬼灯「わかってますよ。今回は五歳前後で記憶と魔力が戻るようにします。ですが、魔力は人が持てるギリギリしか使えず、内包魔力は前回同様に身体を繋げた相手にしか発揮できませから、十分に注意してください」
リリス「房中術は教えたからバッチリよ!どうせ旦那さんで試しただろうし♪」
まゆは自分の魔力を押さえ込み、人の身体に適応させる為の特殊な魔法陣を踏む。段々と身体が透けて、人の魂のような形に形成されていく
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