• テキストサイズ

【鬼滅の刃】過去も未来も〜R18〜【継国兄弟】

第15章 最初で最後の嘘






何故いつもお前が、お前だけがいつもいつも特別なのか。痣者であるというのに生き永らえ、その老骨で振るう技は全盛期と変わらぬ速さ、そして威力



私の愛した妻も、お前のものになった。鮮やかに蘇る六十年前の骨まで焼き尽くすような嫉妬心と偽りの日々。心を隠し、お前にまゆが甘えるのも容認している振りをしていた



肉の片割れだというのに、一体お前と私は何が違うのかと心の中で毒を吐く。相容れぬ…



お前だけがこの世の理の外側にいる。神々の寵愛を一身に受けて生きている



お前が憎い、殺したい。例えまゆが望んでいなくとも…



だが次の一撃で私の頸が落とされるという確信があった



黒死牟「まだ死んでなどやらぬ…」



無惨様をも追い詰めた剣技、それは神の御技に他ならない。焦燥と敗北感で、五臓六腑が捻じ切れそうだ



だが次の一撃が放たれる事は終ぞなかった、縁壱は直立したまま寿命が尽きて死んだのだ



私はどれだけ振りかもわからぬ涙を流した



黒死牟「私はお前が嫌いだ…」



縁壱の老いた亡骸を斬る。更に斬り刻もうと刀を振り上げた



その時…



ガキィッ



私の刀を刀で受け止めた者が居た。黒い布を全身に身に纏い顔も見えぬが背格好からして女か…



黒死牟「私の邪魔をするな」

まゆ「……」



何も喋らぬ女。しかし刀を私に向けたのだ、こちらも応戦せねば無礼というもの…



私は女に月魄災禍を放つが後ろに飛びながらの月魄災禍で相対された。月の呼吸を継承している?美月が継承させたのか…それともまゆが育手となり継承させたか…


黒死牟「月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面」

まゆ「……(月の呼吸 拾陸ノ型 月虹・片割れ月。巌勝さん…)」



またもや私の技は防がれ動揺し、構えをとりつつ女から距離を開けた。



女の持つ日輪刀を見ると間違えなくまゆの物



黒死牟「お前は縁壱の曾孫あたりか?」



似ている、あまりにも似すぎているのだ。刀を握り込む時の指の癖や軸足を一度内側に寄せる癖



全てがまゆに酷似していた



本人かと思う位。しかしそれこそ有り得ぬ、生きていても八十歳かそこらだ。動いた時にチラリと見えた肌は十代か二十代の若い女のもの



/ 694ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp