第10章 番外編ー黒死牟ー
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まゆ「巌勝さん…」
黒死牟「思い出したのか。私の知っているまゆなのだな?」
まゆは「うん、そうよ…」と首を縦に振った。良かった…誠に喜ばしい
私とまゆは服を着て抱き合い、時々口付けを交わしては微笑み合っていた。すると、こちらに向かってくる鬼の気配を感じてまゆの顔から笑顔が消えた
まゆ「巌勝さん、何か来た」
黒死牟「この気配は橘だろう。あの女処分しても良いだろうか…」
何なんだあの女は!まゆが真顔になってしまっているではないか。この顔をする時は世に言うガチギレなのだぞ!
あらぬ誤解を受けて離婚なんて事になったら一体どうしてくれるっ。殺すでは済まさぬぞ…
橘「黒死牟様ぁ〜今日こそ夜伽を致しましょう」
黒死牟「断る。妻以外の女を抱く気は無い」
まゆは黙り込み怒気を発している。気配が増々鬼ではなくなっているのは気のせいだろうか…?
まゆ「ねー、橘とかいうオバハン。黒死牟は私の夫なのよ。わかる?」
橘「小娘、そこ迄言うなら私に闘いで勝ってみなさいよ。そしたら引いてあげても良くってよ?無理でしょうけど、クスっ」
黒死牟「まゆ、お前は手を出すな」
まゆには鬼殺隊の柱としての強さがある。しかし上弦に勝てるかは別の話…鬼になりたてが勝てる相手でもない…
まゆ「ご心配なく、負けないから!それとも黒死牟はまゆが信じられない?」
黒死牟「…………わかった」
そんな可愛い顔で言われたら私は絶対断れない。まゆはそれを知っているから質が悪い
橘「では外へ。黒死牟様、私は必ず貴方を手に入れてみせます!」
黒死牟「嫌だ」
外に出たと同時に闘いが始まった。その瞬間、まゆが私でも見えない速度で橘の後ろを取った
橘「えっ……いつの間にっ」
速いというより消えた?
まゆ「遅いよオバハンwww」
再びまゆが橘の目の前に現れた。後ろに居た筈だが…私の六つある目でも無理だ、見えない
橘「アンタ何者よっ」
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