第10章 番外編ー黒死牟ー
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★もしも縁壱が言い出せずにまゆと関係を持たなければ
まゆが巌勝の子を流産してしまってから一年が経った頃(二十歳)に痣が発現した。それから四年余り、まゆは間もなく二十五の歳になる
今だに月柱邸に住んでいた。この屋敷は巌勝がまゆとの結婚時に買取りたいと朔也に申し出たが、あげたものだから心配しなくて良いよとの事だったのでそのまま住んでいる
まゆ「身辺整理しなきゃね…」
継子や、まゆにずっと仕えてくれている隠を呼び、幼い子達を託した。継子といっても日の呼吸、月の呼吸、光の呼吸に適性があるわけではないので、正式には継子ではないのだが…
まゆ「小さい子達を頼みます。巌勝さんの財産も手付かずである、一番小さい子が成人する位までは生活できるはずだから…この屋敷には、もう引退していますが、元影柱の隼人兄さんと孝之兄さんが育手として来ますから安心なさい」
まゆは鬼に親を奪われた幼子達を引取って育てている。一番小さい子は一歳と少しだった
継子1「俺達でチビ達を立派に育てます。師範、ここ迄育てていただき、ありがとうございました…」
隠「今夜ここを発たれるのですか…」
継子2「しはっ、師範…何で…」
まゆ「私は行きます、愛する夫に会える気がするから…後は頼みました」
まゆはその晩、ある場所に向った。何となく巌勝に会える気がする場所へ…
もうまゆには山の中を歩く体力など残されていなかったが、気力を振り絞った。ある地点に着くと、酷く懐かしい気配を微かに感じて立ち止まる
まゆ「巌勝さん…会いたいよ…(気配はするのになぁ)」
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