第7章 柱になる
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『はぁん、奥に当たるのっ』
お前は優しいから私の腕の中で微笑み、好きと言ってくれたのだろう?私は優しい夢の中で、お前に甘えていたのかもしれない…
『巌勝さんっあぁぁぁっ♡きもちいっ、あぁ、あぁっまゆを壊してっ』
相手が兄上だと知らなかった時から頭では分かっていた。まゆの心を幸せで満たす事が出来るのは、その男だけだと知っていた筈で…
『激しッ、んぁぁっ凄っ、凄いのぉ♡』
なのに、私の頬に伝う涙が止まらないのだ。一方通行の愛が苦しくて堪らない
『ひぃっ、中にっ中に出してぇ♡あっあぁっ、しゅきぃっ巌勝さんっ』
私は寒くも怖くもないのに震える自分の身体を抱き締める。此処から動けない、身体が言うことを効かない
『まゆの中が熱いのぉ、あっ♡あぁぁっ♡』
私は一体どうしてしまったんだ
『愛してるぅ♡ひやっ!?んっやぁぁぁ』
幼少の頃から人と比べて羨ましく思う事などなかった。どんなに苦しくとも、悲しくとも、孤独であろうと私は私でしかない
『そこはダメっ、はぁ、ぁんっ♡すぐイっちゃぁあぁぁ』
例え兄上に嫌われていようとも、私の運命なのだろうと受入れた
『もっ、もぅイキたくないっ、あぁっ、まゆオカシクなっちゃうのぉ♡やぁっ、やぁぁぁぁっ』
誰か教えてほしい
どうしたらこの涙が、どうしたらこの身体の震えが止まるのかを
あぁ、私は兄上が羨ましい
兄上になりたい…
まゆが欲しい
私は、お前の全てが欲しくて堪らない
いつの間にかまゆの声も無く、屋敷は静まり返っていた。兄上に抱き潰されたのだろうか…
気配を殺したまま重い身体を引きずり自室に帰る。私は鉛の様な身体を布団に投げ出し、いつもの様に妄想でまゆを汚すのだ
縁壱「許せまゆ…」
一体何度目の懺悔なのか…妄想ではないまゆの艶めかしい声が、いつもより熱く強烈に私の身体に熱を持たせた
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