第7章 柱になる
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朝になり、朝餉を食べてから稽古が始まる、しかし日柱邸の道場には巌勝と縁壱しか居なかった。それもその筈、まゆは朝餉を食べて早々に出かけてしまったのだ
まゆ「ご馳走様でした。ではでは、私はちょっと行って参ります!」
巌勝・縁壱「「何処へ行く!!」」
まゆは振り向きもせず全力で走って行ってしまい、二人は眉毛を下げて寂しそうに見送る
巌勝「まゆ!」
縁壱「また何かあったのでしょうか…?」
巌勝と縁壱ならばまゆの全力疾走に追いつけるが敢えてしなかった。それぞれ理由は違うがまゆも年頃の少女故に、あまり煩くいってもダメだろうという点では共通している
巌勝「まぁ、何かあったんだろうな。そういう年頃なのだろう(やはり気不味いのか?今は追求しない方が良さそうだな…)」
縁壱「えぇ、賢い子ですから悩みは尽きないのでしょう(煩く言って嫌われたくない…年頃の女子はなんと難しいことか)」
その日から毎日、朝餉を食べると全力疾走で何処かに行ってしまうのだった。五日目の夜、どうしても気になった巌勝がまゆと二人きりの時に聞いてみるも、まともに答えてはくれなかった
巌勝「毎朝何処に行ってるんだ?(まゆと一緒の時間が減っているではないか…何の為に私が自分の屋敷ではなく此処に居ると思っている!)
まゆ「別になんでもないです♪それよりイチャイチャしたい…ダメですか?」
こんな感じで誤魔化されてしまうのだ
巌勝「む…そうか足りないか、では激しい口付けを…(縁壱とも普通、私達の仲は良好。私達の事で何かあるわけではないのか?…しかし、まゆが愛い!)」
まゆ「んっ♡」
乗る方も乗る方だとしても巌勝はまゆ馬鹿の彼氏なのだ、そこは致し方ないだろう。気になってはいるのだが、あまり強くは言えないのが現状であった
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