第3章 そして出逢った
next優希
《-コラ!病院内は走っちゃいけません!》
《-チッうるせぇよ!》
《待ちなさい!!》
誰が病院を走ってるみたい。看護師さんの声と知らない声が病院内に響く。
………?何か、足音が近づいてきた。
"ガラッ"
「-テメェ!コッチみてんじゃねぇよッ!!」
扉を開けると同時に叫ぶ人。
少し乱暴に開かれた扉には、ついさっきまで窓の向こうにいた男の子がいた。
何も返さないでいるとまた響く声。
「--ッ!無視たぁいい度胸じゃねぇかっ」
怒った様子で近づいてくる男の子。
その時-
ガラッ
「--一颯君!!何してるの!」
「--優希ちゃん大丈夫!?」
二人の看護師さんが慌てた様子で病室に入ってきた。……一人は私の担当の若い女性の看護師だ。
「さ!一颯君早く戻るわよ!」
「-チッ離……-」
"キュッ"
「-ッ!?」
『-いい。』
「-え!?優希ちゃん!?」
『居て、いい。』
男の子の腕を掴み連れていこうとする看護師さん。
どうしてか、分からないけど…すぐ近くまで近づいてきていた男の子の服を掴み言う。
……私が今までそういうことを言ったことがなかったからだろう、看護師さんは驚いていた。
どうしてかな?私も、分からないや…。