【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第1章 秘密【ハイキュー角名倫太郎】
胸が突然ドキリとなった。
それは、からかってるの?それとも、ほんと?
〝それは嘘じゃない?〟
〝じゃあ口で伝えたら信じてくれる?〟
そのメモを見てぱっと顔を上げると、こちらを見る角名くん。
今?!
『ちょっと…角名君……っ』
小声で止めようとすれば、しーっと唇に指を当てる角名くん。
こつちきて、と角名君がくいくいと手を動かすので、耳を角名くんの方に寄せる。
ドキドキしつつ、耳に集中していると、
角名くんがぐいっと上半身を乗り出して、私の頬に口付けた。
カーテンが風で私達を隠すように広がったなかで。
キスされたと、理解するまでに数秒かかった。
理解した瞬間に赤くなる顔。
バッと角名くんの方を見れば、いたずらっこのようにクスリと笑っていた。
口で伝えられた〝好き〟の気持ち。
私も、クスクスと笑う角名君の制服を掴み、ちょっと引き寄せて耳に口を近づけた。
〝私も好き〟
顔はきっと真っ赤だったけど。
私が伝えた〝好き〟の気持ちに、角名君も顔を真っ赤にしていて。
普段見ない角名くんの顔。
私は1枚のメモ用紙を取って、さらさらと文字を書く。
そして、前の席の彼の机に置く。
〝今日は角名くんちで勉強教えてほしい。〟
______END