【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第3章 夢【呪術廻戦五条悟】
「_______香菜……香菜!!!」
遠くから呼ぶ声にハッとして目が覚めた。
目を開ければ、目の前に心配そうに歪んだ美しき瞳と白銀の髪。
手に温もりを感じ、ちらりと見るとしっかり悟の手が繋がれていた。
悟「はぁ〜〜…よかった。香菜、2日も眠ってたから……また眠ったまま起きなくなったらどうしようかと…」
悟がはぁっと安堵の息をつく。
そして香菜の視線に気づいたようにぱっと握っていた手を離して、「硝子に連絡するね」と立ち上がった。
私もベッドからでて、悟の方へと向く。
そして私はその大好きな背中を呼び止める。
「〝悟〟。」
目を大きく見開いた大好きな彼がゆっくりこちらを振り向いた。
「香菜……、?」
彼の手から携帯がずり落ちた。
「っ悟……!海、行こうよ……っ!またさ、みんなでさっ…!」
言いながら涙が零れた。
悟は間も入れずに私をぎゅっと抱きしめた。
「香菜…おかえりっ…!」
抱きしめられて顔は見えなかったけど、悟の声は暖かくて、それに震えていた。
抱きしめあっていると、不意に私の周りに光の粒子が集まってきた。
不思議に思っていると、ふんわりと輝く私の体。
気がつけば、少しだけ大きくなっている私の体。
大人に成長したのだ。
呪いが解けたから。
「ねぇ悟……?」
「ん?」
「ずっとずっと私の傍にいてくれてありがとう……支えてくれてありがとう……ずっと待っててくれてありがとう…っそれから…」
私はしっかり悟と目を合わせて笑った。
「大好きだよ、悟。」
「…うん。僕もずっとずっと大好きだよ。」
2人はお互いを感じるように抱きしめあい続けた。
「また笑ったね、香菜。」
その顔が、僕の夢だったんだよ_______
END