【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第3章 夢【呪術廻戦五条悟】
「お前も少し休んだら?」
その言葉に目を開いて「え?」とこぼす彼女。
「この間の任務から寝てないんじゃねーの?隈できてるし。」
「……なんで分かるの?」
「目がいいもんでね。」
「でもっ私が悪いの……っだから!……」
「あのさ、呪術師やっててそういう道って通らなきゃ行けないもんだから。お前悪くないから。…だから、抱え込むなよ。」
彼女の目からボロボロと滴が零れ落ちる。
そんな彼女を抱きしめる彼。
「ごめん……っありがとう…悟はいつも私が苦しい時助けてくれるよね……っ」
涙を目尻に浮かばせたまま、笑う彼女。
〝悟〟
(悟は…わ、たしの……)
場面が切り替わる。
「待って傑!!!!」
今度はどこかの村のようで。
横に2人のボロボロの女の子を連れた傑。
あたりは血まみれで。
「傑、どういうこと…?ねぇ…」
「……私は高専には戻らない」
「なんで!」
「決めたんだ。私は非呪術師を皆殺しにして、呪術師だけの世界を作る。…これももう、必要ない。」
傑が制服のボタンをブチリと引きちぎり、地面へと投げ捨てる。
「…これも。」
首から下げていたネックレスをブチリとちぎりとって捨てる。
それは誕生日にお互いのお守りのつもりでお揃いで買ったもの。
「じゃあね。香菜。」
そのまま去ろうとする傑を私は呼び止める。
「待って傑!このままじゃ……傑は死刑なんだよ?!そんなの……そんなの私やだよ……!傑がいたから!私は……私はっ……!」
涙が止まらなくて、咳き込むわたしの姿。
傑はそんな私を後ろ目に、2人の少女を連れて歩き出す。
「傑!傑!待ってっ……!やめてっ!置いていかないでっ……!
大事な仲間って言ってたじゃん!まだ海にも行けてないじゃん……っ!約束したじゃん!!傑!傑……!!!」
最後の方は嗚咽が混じって掠れていた。
気づいたら、見ている私の頬にも涙が伝っていた。
思い出した。
私達は4人いつも一緒で。
友達で仲間で大事な人だった。