【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第3章 夢【呪術廻戦五条悟】
ガララ
病室のドアを開け、ふぅと息を着く。
悟「今日も起きないの?…香菜。」
目線の先には、点滴を繋がれた自分の同級生の姿。
今日もいつもと同じように、花瓶の花を替えて彼女の手にハンドクリームを塗って、話しかける。
悟「眠り姫みたいだねほんと。…香菜だけ時間が止まってるみたい。」
眠ったままの彼女は当然返してくれない。
大人になってしまった自分とは違って、高校時代から変わらない姿で眠る彼女。
香菜が眠り始めたのは、3年のときだ。
傑が姿を消してすぐ、香菜が任務に行った先で呪われた。
原因は分からず、呪いのせいか不老のままずっと眠っている。
〝二度と目を覚ますことはないかもしれない…〟
何度も聞いたその言葉。
それでも
何年この先かかってもいい
目覚めて欲しい
悟は学生時代では毎日のように訪れ、大人になって忙しくなってからも休みの日には必ず訪れていた。
硝子も同じで、悟と入れ替わるようにお見舞いに来ている。
悟「聞いてよ香菜。今年入った悠仁って子がさ、なんと宿儺の器だったの!恵もね、随分大きくなってさー…」
〝えー!どんな子どんな子!?〟
彼女が起きてたらそんな風に笑うのかな。
なんて、思いながら話す。
寝たきりなのにもかかわらず、呪いのせいか、あるいは彼女の術式のせいか。
当時よりはすこし衰えてはいるものの、弱りもせずあのころと変わらない彼女。
だからこそ、ある日当たり前のように起きて、〝あ、悟!おはよー!〟なんて笑ってるんじゃないか。
なんてね、考えちゃうんだよ
と、ブブブ…と振動する携帯。
画面を見れば硝子の文字。
通話ボタンを押して、耳に当てる。